フィールドレコーディングに必要なたった2つの機材 ~スマホ編2 MV88+レビュー~
前回の記事で、スマホ用のマイクを軽く紹介しました。
今回は、スマホのマイク、中でも、
『MV88+』
という機種について、掘り下げていきたいと思います。
●MV88+とは?
↑のマイクです。
Shure(シュア)という会社さんが作ったマイクです。
マイクやイヤホン、ヘッドホンで有名な会社ですね。
商品名に『+』という文字があるように、元は『MV88』というマイクでした。
iOS対応のマイクで接続端子が『Lightning』。
そのため、Android ユーザーは使えませんでした。
そこで、接続端子をUSBに変更し、Android でも使えるようになったのが、
『MV88+』
というわけです。
●マイクの指向性を変えることができる。
●専用のアプリを使うことで、細かい録音設定ができる。
●スマホ取り付け用のクランプとシューマウントを標準付属。
・・・と色々書きましたが、まずは、どんな音で録音できるか聞きたいですよね?
ということで、以前、私が録音した環境音をお聞き下さい!!
如何でしょうか?
録音後にEQで調整しただけでこのレベル。
MV88+のポテンシャルがよくわかると思います。
それでは、実際の音を確認して頂いたので、次はMV88+の特徴を見てきましょう!
●USB端子なので、スマホとデジタル接続して録音できる
スマホ用のマイクのほとんどは、接続端子がミニプラグ形式です。
これは、手軽に差し込める反面、接続端子の質が良くない場合、音質が劣化したり、ノイズが混入することがあります。
そして、スマホは高品質な音で録音することを前提とした機材ではありません。
そのため、ミニプラグ形式のマイクで録音すると、思ったような音で録れてないケースがあります。
しかし!
MV88+はUSB接続です。
マイクが拾った音をデジタルでスマホに送れます。
そのため、ミニプラグ形式のマイクより音質の劣化がはるかに少ないのです。
↑の動画のようにきれいな音が録れる理由の一つが、USB接続にあります。
●マイクの指向性について
マイクには指向性というものがあります。
指向性というのは、わかりやすく言うと、
『そのマイクの録音が得意な範囲』
となります。
一般的な指向性が、
①単一指向性
②双指向性
③無指向性
④超単一指向性
となっており、ほとんどのマイクは一つの指向性しか持ち合わせていません。
以下、図で解説してみましょう。
<単一指向性>
一番よくある指向性です。
上の図のように、マイクが向いた先とその左右を録音します。
歌手やミュージシャンが録音する時に使う指向性も、この単一指向性になります。
<双指向性>
単一指向性よりやや狭い範囲で、マイクの向いた方向とその反対方向を録音します。
具体例としては、司会とゲストが対面で座った場合のラジオ収録。
真ん中に双指向性のマイクを置くことで、双方の声をきれいに収録できます。
<無指向性>
マイクの全ての周囲の音を拾います。
会社で会議をする時、机の真ん中に無指向性のマイクを置くと、全員の声を均等に拾えます。
<超単一指向性>
単一指向性の範囲を更に狭めたものです。
屋外でしゃべる人の声や、モノラルで欲しい音の収録などに使います。
●MV88+は指向性を変えることができる!
マイクの指向性について、ご理解頂けたかと思います。
そして、マイクというものは、ほとんどが一つの指向性しか持ち合わせていません。
また、モノラルとステレオを切り替えることができるマイクは、更に少なくなります。
しかし!
このMV88+は、指向性の変更はもちろん、モノラルとステレオの切り替えも可能です。
ちなみに、MV88+の指向性は↓の図のようになっています(MV88+のマニュアルより)
※モノカーディオイドは、『超単一指向性』のことです。
如何だったでしょうか?
MV88+の特徴を色々と記載しましたが、まとめると、↓になります。
小型で持ち運びが簡単。
USB接続でスマホで録音でき、マイクの指向性も簡単に変えられる。
まさに、フィールドレコーディングの申し子のようなマイクです。
当サイトでは、いきなり高額なマイクやレコーダーを買う前に、まずはMV88+でのフィールドレコーディングをおススメします。
これに満足できなくなったら、次は本格的なマイクやレコーダーの購入を検討しましょう!
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