Vol.3 ゲームはどのように作られるのか?
ゲームはどのように作られると思いますか?
恐らく、↓のような感じで考えているのではないでしょうか?
はい、大体そんな感じです(笑)。
ただ、会社組織として、チームを組んで億単位の金をかけて作る以上、
もう少しシステマチックなやり方になります。
なお、以降、開発の流れを書いていますが、
会社やプロジェクトによって、開発の流れは異なります。
『大体こんな流れ』という認識で読んで頂ければと思います。
●まずは企画立案!
『社長が「今売れてる、〇〇みたいなゲーム作れ!」と言ってきた』
『新規IPが売れたから、続編作れ!』
『社内で企画募集だ!』
『ディベロッパーが売り込みに来たぞ!』
上のように、本当に色々とありますが、
侃々諤々の議論を経て、めでたくどんなゲームを作るのかが決まります。
ようやく、プロジェクト始動ですね。
それでは、次のフェーズに移行しましょう!
●大事なのは予算とスケジュール!
では、実際に作るにあたって、
・どれくらい金を掛けるのか?
・いつ発売するのか?
・誰をアサインするのか?
といったことを決めなければなりません(本当はもっとあるけど、割愛)。
金が絡むと頭が痛くなるのは、どこの業界でも同じです。
また、アサインするスタッフも慎重に見極める必要があります。
例えば、人間関係。
とても仲の悪いAさんとBさんを同じチームにしてしまうと、
彼らの不仲が悪い雰囲気を作り出し、
他のスタッフに悪影響を与える可能性があります。
また、キャリアやスキルがほぼ同格だった2人のうち、
一人をパートリーダーにし、もう一人をその部下にすると、
部下の方は、『何であいつが俺より評価されてるんだ!』と不満を持ち、
プロジェクトが終わったら転職するかもしれません。
まあ、この辺りの人間関係はどこの会社にもあると思います(笑)。
他にも、若手のキャリアパスを考慮したりなど、
様々な要素を検討しつつ、慎重にアサインしていきます。
●とりあえず作ってみようか!
ゲーム開発の場合、いきなり商品クオリティのものを作ることはありません。
まずは、そのゲームが本当に面白いかを検証するため、
『試作品』を作るケースがほとんどです。
机上の空論という言葉がありますが、ゲーム開発も同じようなもので、
企画段階では、
『このゲーム、すげぇぇ!!絶対に売れる!!』
と思っていても、実際に作ってみたら、
実はそうでもなかったということはあります。
初期の段階でそれに気づいたなら、傷は浅いですが、
プロジェクト終盤にそれに気づいたけど、引き返せずに商品を世に出して、
大赤字となってしまったら、泣くに泣けません。
そういったことを防ぐため、試作品を作り、本当に面白いかを検証するわけですね。
●本制作開始
『試作品をチェックするのは誰?』と思うかもしれません。
私の見聞きしてきたケースでは、ほぼ経営陣がジャッジします。
つまり、経営陣の判断が間違ったら、会社は損害を被り、
減給になったり、最悪、リストラをせざるを得ない状況になるかもしれません。
経営者は大変なのです。
ちょっと話がずれましたが、めでたく本制作が開始となると、
ひたすらリソース(データ)の生産体制に入ります。
サウンドクリエイターが忙しくなるのも、この時期からですね。
もちろん、本制作の段階でも、『仕様変更』というのが発生し、
ゲームの中身は色々と変わっていきますが、
完成を目指してひたすら走ることになります。
なお、不幸なことに、
『本制作に移行しても制作中止になる場合がある』
ということを、ここに記載しておきます。
↑に書いたような、
『作ってみたけど面白くなかった』
というのは、本制作中でも起こりうるのです・・・。
●デバッグ
データ制作と並行して、デバッグを行います。
自分で作ったデータを実装し、
意図通りに動くかどうかを確認するということですね。
最初のうちは開発陣が行いますが、
最後の方になると 『QA』という、
デバッグ専門の人たちも参加して、本格的にデバッグを行います
もちろん、サウンドクリエイターもデバッグに参加します。
余談ですが、バグを引きやすい人というのは必ず存在します。
かなり昔、とある会社で働いていた時、どのプロジェクトも、
5人以上のサウンドクリエイターでデバッグを行いましたが、
私がバグに遭遇することが多く、
あるプロジェクトでは、自分がサウンドのバグのうち、
6割見つけたというのがありましたね・・・。
当時は、『あいつら、まじめにデバッグしてなかったんだろうな』と、
思い込むことにしてました(笑)。
●開発終了
めでたくデバッグが終わると、開発終了となります。
会場を借り切っての打ち上げがあったり、
その打ち上げに声優さんが参加したりというのもありますね。
といっても、ソーシャルゲームだったら運営が、
コンシューマーの場合はパッチ対応やDLCがあるため、
プロジェクトはまだまだ続きます。
ですが、まずはお疲れ様ということですね。
そして、プロジェクトが終わると、
転職する人がそこそこいるのも、ゲーム業界の特徴だったりしますが、
その話は、別の機会にでも・・・。
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